これは粗品の宣戦布告

R-1ぐらんぷり2019優勝者特番 霜降り明星粗品が今一番やりたい企画TV』フジテレビ 2019/07/14/24:30-25:30
この番組は、『くりぃむナントカ』『全力!脱力タイムズ』の系譜に連なる、バラエティのフォーマット自体もネタにするコント番組だった。賞レースを勝った人たちは、まずネタで世に出る。それからいろんなコントやバラエティの冠番組を持つ流れだったりするけれど、『R-1ぐらんぷり』のご褒美番組で、このような"番組を丸々使ったコント"をやった意味は大きい。…というかそもそもこのような番組を作れる機会はそうそう無いわけで、今回は千載一遇のチャンスだったと思う。この番組は、本気で自分の時代にするという、粗品の宣戦布告だ。それは、相方せいやの「お笑い第七世代」という発言とリンクする。…と言ってしまうのは本人が持っている意図とは異なるかも知れないけれど、わたしはそう受け取った。
あーしかしそれはそれとして、単純に面白かったなあ。ついつい感想を書いときたいという気持ちになりまして、夜ふかしする羽目になりました。

粗品のツッコミ辞典を作ろう! 」谷元星奈アナウンサーをアシスタントとして、商店街の街ロケで50音を使ってツッコミをするという企画が始まった時は、正直ありきたりだなと思った。しかしすぐに違和感が。登場する街の人のセリフを言ってる感、言っちゃうとエキストラ感。鮮魚店。そして意外と早く終わったと思ったら、番組冒頭からまた始まる。これは…番組自体が仕掛けになってるやつか!というわけで、始まった"2周目"から身を乗り出して観る。「コロッケ屋たなか」「やまね鮮魚店」「関西音楽院」CM「The Umbrella Garden」「にいもと整骨院」とまったく同じ流れで粗品のツッコミも同じ。そして"3周目"では粗品のツッコミが違っている。全部は分からないけれど、おそらく全部変えてきているはず。この周の"ラスト"では粗品が「ループ」してることに気付く。5週目の最後、粗品の一言で50音の表が完成し、「ループ」から抜けて番組自体が終わる。となると、不自然な台詞にも意味があるな。これはもう1回観ないとね。
ということで番組ページに。そこで番組予告を観ると…「いろんなツッコミをしました」「どうしてもやりたいツッコミが入っている」「次何て言うのか予想しながら見ていただけるとより楽しめるかと思います」と伏線のオンパレード。
2回目はツッコミを書きながら観る。と、「さ」「い」「し」「よ」…最初。単に50音字じゃなくて、いろは歌か!
 1周目:さいしよからそこあるきなおせ
 2周目:さいしよからそこあるきなおせ
 3周目:にゆうねんにみきわめてぬけろ ※「に」重複
 4周目:むりやりすへてのもしをつかえ ※「り」重複
 5周目:ふちほけはひほんにたとえまくれ
5週目がちょっと厳しいかなと思ったけれど、「むりやり」とあるので、不自然な方が正しい。
あー、5周目は多分、"ぷちぼけはひぼんにたとえまくれ"だ…。
 粗品:プチボケはもう良いんですよ
 谷元:プチボケて…
って会話があったものね。全部ヒントとか自分で言ってるのに…。さて、気を取り直して。
これらをふまえると、ロケ終了後のやりとり、
 粗品:「無理矢理全ての文字を使え」って言われたから
 谷元:誰にですか?
 粗品:んー自分に?
の意味もよく分かる。というか"3周目"の言葉まんまだものね。そして違和感のあるところは全部ヒントになってるんだね。
カンテレドーガの完全版には冒頭と番組後に粗品のコメントが付いているのだけれど、曰く「すっきりしない方は紙とペンを持ってもう1回見てください!」。それ、いまやったばかりだよ!完全に掌の上で踊らされましたね。気持ちが良い。

あ、ドビュッシー「小さな黒人」にも意味があるのかな?cakewalk?そして、自分が知ってる範囲でしかないけれど、くりぃむしちゅー有田と共通するところを感じた。有田はそういえば『特典映像』というDVDを出してたっけ。あと、谷元アナウンサー、達者だなあ。