フリーペーパーにしています

だいたいフリーペーパーにばかり書いています。全ての原稿が前のノートと共に飛んだのですが。バックアップは意図的に取っていません。はかなさ重視。
ところであまりにもらい先がなく(手渡しオンリーだから)、この前試算してみたらノート一冊分たまっていたっぽいです…。

かが屋へ吹いている風が強まっている

2/23に第2回単独ライブ『瀬戸内海のカロカロ貝』の発売があり、15分で完売。北沢タウンホールのキャパで15分。
2/10の『ライラックブルー』で発表があり、賀屋「完売すれば追加っていう話もありますが」加賀「そんなことがあるわけない!」という流れがあった。そりゃあ当事者はそうだよなーと思いつつ、ファンとしてはまあ午前中持つってことはないだろうと思っていた。
のだが、Twitterを見ていて、期待している人が考えていた以上に多いことが分かった。こりゃ本当に即完だろうなとLoppi前に待機していたところ、予想以上の速度で売り切れた。それを受けて2/25に追加公演が決まり、その発売日が3/2。
今度は5分。前回のこともあったのだろうけれど、しかしそれにしても5分。

ライブを観ていても、明らかに熱気も上がっているし、追い風も強くなってきている。この風に乗って一気に行って欲しい。

言葉には人が出る。表方ならなおさらだ。

『いとこが来る月曜日(祝)』於 産業商工会館展示場 (杉並区) だいたい19:00-21:30

  • メンバー
    • フランスピアノなかがわ
    • レッドブルつばさ
    • Gパンパンダ一平
  • ゲスト
    • かが屋加賀
    • ストレッチーズ高木

 各々がテーマを提示してそれに対して語り合うトークセッションライブ。初めて行ったのだけれど、いわゆるトークライブではなくて議論寄り。「喫茶店で話す内容だよ」って何度か高木が言ってましたが、そのモードに入っている様自体がエンターテインメントになっている…とか言いつつ、単純にそういうのが大好物。各人のテーマ設定も興味深いし、話を深めていく中で共感したりしなかったりというのがスリリングな感じでした。
 タイトルはフリッパーズ・ギターの「Hello(いとこの来る日曜日)」より。助詞を変えているのは意図的なのかしら。あとライブ中もずっとフリッパーズがかかっていたのですが、コンピも含めた4枚からランダムでした。1st.だけでも良かったんじゃないかとか、時間考えるとオリジナルアルバム3枚とかでも良かったんじゃないかとか思ったりしました。細かくてすまぬ。
 録音録画書き起こしOKとのことです。2時間半というボリュームなので、レポは各々が印象に残った部分を書くと思います。わたしは途中のポエムコーナーについて書きます。テーマは「モノクロ」。ジャンケンで勝った順に発表。ちなみにテーマの一つに"じゃんけんという遊び"というものがあったので良い流れでした。
 順番は高木→加賀→つばさ→一平→なかがわ。互いの投票で加賀が3票獲得。高木のみ横書き,加賀は色紙を横に,なかがわのみルーズリーフ(曰く「初回に色紙を忘れたことを正当化するため」)。細かくてすまぬ。
 "昨日谷川俊太郎を読んで勉強してきた"高木が「左脳で書いた」と評されていたり、加賀が「かが屋のコントだ」と言われていたり、レッドブルつばさの余白に感心していたり、互いの評が面白かったですね。予約番号での観客プレゼントの際、2人先に選ばれやや焦っていた加賀が、3番目に当たった観客と目が合い「かが屋のお客さんです」とテンションが変わったところが個人的なポイントです。

以下引用。写真を観て書いているので、改行の幅は大体です。

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にゃんこスターに首ったけ

3年ぶりのエントリです。はてなブログも1回ためしたのだけれど、今はほとんどZINEに書くようになりました。残しときたいものを転載しておこうかと思います。

にゃんこスターに首ったけ
 にゃんこスターに首ったけだ。
 キングオブコントの決勝進出が決まってから観たんだけれど、ネタ、ぞわぞわした、やばい。ここ1週間で4回観に行った。今戦略を立ててる真っ最中というのもわくわくする。
 コンビ揃って売れて欲しいと思いますよ。
2017/09/22/15:40-15:46 

 で、久しぶりに行けるライブには行こうと思い、この後も何度か観に行った。とはいえ無理はせず。3年前くらいなら多分全部行ってたと思う。
 KOCの決勝でハネた。なんとハネたのだ。
 で、色々と気になって過去のブログやらTwitterやら遡って読んだもの、決勝前のライブやテレビでの発言からまとめます。
 

1.コンビ結成
 にゃんこスターアンゴラ村長スーパー3助によるコンビ。ライブ『大喜利千景』で知り合う。その後他の芸人と共に3助軍団として遊んでいた。2017年5月頃に村長の告白から交際に発展し、お互い芸人ということもありユニット結成に到る。なものでコンビ結成となると実はもっと後かもしれない。9月のライブで結成時期を聞かれて「コンビは…正確にはまだ組んでない」って言ってたりしたんですよ。

2.KOC決勝まで
 初舞台は『ゲレロンステージ』というネタ見せを兼ねた小さなライブで、ネタはリズムなわとび。この時は”本当の本当に最後のなわとびネタ!!”と告知をしていたので本当にその場限りだったのだろうと思う。しかしそこで2位になる。観た自慢は馬鹿馬鹿しいという意見もありましょうが、この時投票した人は自慢していいと全然思う。っていうか感謝。実際それで次のライブに繋がったのだから。特典で呼ばれた『トッパレ(A)』で 錚錚たるメンバーが揃う中での2位(優勝は虹の黄昏!)、そして『トッパレ(G)』優勝。前者はペンギンズがキャンセルになってからの追加だったことを考えると巡り合わせってあるよなあ…。
 同時にキングオブコントの予選を勝ち進んでいく。当時3助はピンでオフィス北野に、村長は別のコンビでケイダッシュに通っていた。 どっちも「次の月には入れるかな」ってタイミングで準決勝を迎える。奇しくも準決勝の日はオフィス北野のライブだった。この時ライブ界隈の観客はざわついていた。なんとなれば3助が以前組んでいたアンドレは地下も地下なコンビだったからだ。裸で相方のボケに奇声を上げてツッコミ続ける。友達ってことではブレイク前から永野や虹の黄昏と仲が良いし、そもそも「スーパー3助」って名前はハリウッドザコシショウが名付け親。
 ここで結成以降のライブ出演をカウントする。
・5月3本
・6月2本
・7月2本,KOC1回戦
・8月14本,KOC2回戦,KOC準々決勝
・9月19本,KOC準決勝
 改めてまとめてみて分かったんだけど、準々決勝の後に11本,準決勝の後17本と、一気にネタを煮詰めていったんだなあ。
3.KOC決勝
 ほぼ毎日観てるんだけれど、観れば観るほど完璧さに驚く。紹介VTR、1本目のネタそのもの、それを受けた審査員の反応、2本目のラスト、全てが見事。特にVTRの構成がほんと凄い。これがなければ結果はかなり違っていたのじゃないかって思う。

4.KOC決勝-事前VTR 1分50秒
 (1)コピーは”史上初!最速!最年少!”。正体不明のダークホース
 (2)コンビ結成5ヶ月、女性初決勝進出、最年少決勝進出と、フレッシュさを強調。女性初と最年少は先に登場したパーパーも同じなだけにより印象深い
 (3)しずる村上の「コントの終わり方じゃないだろ」というコメントで、同業者の目からも異質なものということを明確にしている
 (4)2人の言葉でハードルを下げる。
  曰く「演技とは真逆」「台本はない」「原点に近い」
  嘘ではないだろうけど。3助の「演技とは真逆」というのは”一般的なコント”における演技って事であって、このネタにおける演技としては完璧。「台本はない」というのも、同じ構成のフラフープをきっちりやってるのを観ると(実はリズムアンブレラというのも仕上がっている)、うん。村長の「原点に近い」も、分かりやすいものですよっていう宣言になっている
 (5)そしてここまで謎が多いと振ってからの、バイきんぐ小峠「僕の中のお笑いの方程式ががっと変えられましたね」(ここで”笑いの方程式”ってスーパーが手の動きに合わせてぐるんって回って、3回転目で”変えられましたね”になるんだよ!)、そして畳み掛けるように、そのバイきんぐがキングになったときに推薦コメントを出していた伊集院光の「こいつらがキングになったらお笑い界が次の局面に入る」という言。ここで”この2人がここまで言うんだから、笑えるもの、笑って良いものだ”というある種の担保を与えている
 (6)最後に2人が袖で握手しているシーンで絆を押し出す。しかもアップにして繰り返す。 エモい…
 (7)「結成5か月、今大会最大のダークホースが遂にそのベールを脱ぐ」のナレーションから「コントの歴史変えるぞ」とにゃんこポーズで

 なにも情報がないことを存分に活かした、ゼロから期待を産み出す見事な展開。

 KOCは一組毎にスタッフが担当に付くのだけれど、今回にゃんこスターに付いた人は相当愛情を持ってくれてたと思う。いろんな芸人が「とにかくアンゴラを前に出せ。3助はフォローに徹しろ。芸歴が邪魔になる」と助言していたのだが、このVTRからも同じ姿勢が窺えた。実際に「3助さんは隠しましょう」と言っていたというし、村長も「なんなら芸歴5ヶ月って感じにしたいみたい」と受け取っていたという。他のコンビのVTRと比べて本当に考え抜かれてる感じが凄い。

4.コント1本目「リズムなわとび」3分9秒
 無粋だが。
 (1)3助が登場し自己紹介
  リズムなわとびの発表会があることに気付く
 (2)村長が登場。大塚愛さくらんぼ」に乗せてなわとび
 (3)軽快に跳ぶがサビでは跳ばずにある”動き”を
 (4)そこにいちいち3助が「跳ばなーい!」と叫び嘆く
 (5)嘆きつつ「動き」に魅了されている事に気付く
 (6)村長が「伝説のなわとび」を必死になって抜こうとする
 (7)抜くやいなや捨て、2人でシンクロして「動き」を
 (8)村長のぶきみなダンス
 (9)3助が追い詰められる
 (10)再び村長が「動き」に戻って喜ぶ3助
 (11)村長がにゃんこスターのシンボルを持って出てくる
  「僕たちのコンビ名はにゃんこスターでした」で締め

 (1)冒頭いきなり3助が状況説明を一気に行うのだけれども、「おいらはなわとび大好き少年だよー!」という3助のエキセントリックさが不自然さを吹っ飛ばしてるんだよね。
 (2)Aメロの軽快さ明るさに乗って飛び続ける村長。動きに切れがあって気持ち良い。Bメロではバスドラがドンドコ鳴るのでサビへの期待が高まる
 (3)サビに入ると急になわとびを捨てて、両手を突き出し親指を立て口を尖らせ目をつぶりながらぬーっと左右に踊る”動き”を。なわとびの時とのギャップが良い。そして重要なのは、この決勝ではなわとびを捨てる「ガチャ」って音がしっかり聞こえるところなんだよね。ここでメリハリがより一層強くつく
 (4)ツッコミは観客の一瞬先に笑い所を提示するものと言われるけれど、3助の叫びは強引といっても良いくらい観客を巻き込んでいく(だから甲高い声が苦手な人がこのネタを苦手とするのには頷ける)。同時に落胆が笑いだけじゃなくて観客の心情までガイドしてるんだよね
(5)ここでは3助の嘆きに対して村長が”動き”を見せ付けることで「この動き求めてる俺がいる」と気付くところが重要。一切喋らない村長だが、ここでコミュニケーションが成立している
(6)間奏に入ったところで、突然伝説のなわとびが登場。巻き込まれているこちらは村長が必死に抜く様と3助がはらはらするところをじっくり見ちゃう
(7)このネタのハイライト。間奏終わりのギターソロから歌い出しの2秒間で「抜けたー!」「捨てたー!」「跳ばなーい!」と畳み掛け、気持ちよさが最大に。実際にここで拍手笑いが起きている
(8)サビに入りここで村長がぶきみなダンスを行う。先の”動き”と比較すると、振りがカクカクしてるのと目を見開いているのが対照的。振付自体も面白いけれど、「ウーイェイウー」っていうコーラスが入っているパートというのもギャップがあって良い
(9)そしてここで追い込まれたときの3助の声がリミット越えてて、鬼気迫るものがある。ネタの長さからするとけっこうぎりぎりの配分で攻める
(10)3助がほっとするのと同時に、見てるこちらも緊張から解放される
(11)そしてアウトロが鳴っている中で自己紹介をして暗転。自己紹介をオチ台詞にしてる!斬新!そりゃ驚きもするよ!

 このネタは村長がなわとびを習っていたことから生まれた。以前のコンビ暇アフタヌーンでもやっていたが、昨年のKOC2回戦で前半ウケて後半きっちりスベっていたとのこと(この時には伝説のくだりはまだない)。当時はツッコミが弱く、3助は「アンドレとやってること同じだからできるな」「自分ならもっと面白くできるな」と思っていたという。確かに言われてみると、あの控えめに言って狂ったキャラクターってアンドレの時と一緒。そしてそれでこそ、村長の切れある動きとサビでなわとびを跳ばないことが強いボケとして成立し、同時にポップなものに仕上がっているんだよね。すっごい不思議でありつつ、確かに良いマッチング。
今年に入って2人の間でこのネタの話になり、やってないのが勿体ないからゲレロンでも出ようという事になったという。前述の通りそこで止めるつもりがどんどん繋がっていき、KOC決勝にいたる。

 『伊集院光のばんぐみ』のライブで、ネタがつまんないから縄跳びしとけって言われたことが、こうなるとエピソードとして効いてくるね。だからVTRのコメントはある種の仁義だとは思う。

 このネタで予選を勝ち抜いてきたって事は、客席のマニアを魅了していったって事なんだよね。予選を通してきた審査員もかなりの英断だと思うのだけれど、それを裏付けるウケがあったって事だから。知人が「私が女子高生だったら絶対真似したくなると思う」って言ってたのはすごい説得力があった。そしてたぶんあまりお笑いを生で観てないだろう決勝観覧の人も巻き込んだことがすごい。映り込んでた人たち、笑って驚いてたもんなあ。

 改めて観るとまず村長の動きにほぼミスがない(1ヶ所だけ捨てたなわとびを拾うところでもたついている)。なわとび自体は完璧。当たり前かも知れないけれど、なわとびが上手、っていう設定に説得力がないと面白くないからね。そして3助のシャウトがものすごい。最初からフルボリュームなんだけど、そっから前述のように更にリミット越えるんだよ。


6.KOC決勝-会場の反応
  大竹 なにそれ
  日村 なんだよこれ
  日村 なんだよこれ、はっはっは
  大竹 なんだよそれ
  日村 なんだよ
  大竹 なんだよそれ
  松本 どうしよっかなー
  三村 すげえの出てきちったな
 とにかく観客も審査員も本当に楽しそうな顔をしてるんだよね。賞レースの、祭りであると同時に持つある種シビアな空気をぶちこわして、ハッピーな空間に染め上げた時点で今回はにゃんこスターの大会になった。ネタ後に家族と手を振り合う光景も自然なものとしてそこにあった。点数発表後の浜田の頭に添えるようなツッコミと、審査員コメントのハイな感じも良い。 GAG宮戸が、2組後の自分達の番になってもまだ会場がざわついてたと言っていたが、実際に録画を見返すとそれがよく分かる。 優勝したかまいたちはその空気を完全に無視していた。これも見事な勝負。
 2本目の冒頭で同じ構造のネタをやることが分かった時にちゃんとウケた時点でにゃんこスターは完全に勝った。そしてやや息切れしつつも幸せしか感じさせないエンディング。


7.散見される感想など
 とにかく笑ったっていう感想もあれば、面白さが分からないのは自分だけ?って感想もあった。安心して、分からないって言ってる人は他にもいるしその言い回しを使ってる人もたくさんいる。こんなのコントじゃないっていう意見に対しては、あれをKOCの決勝でやって実際にウケたことが全てと言えると思う。KOC自体、コントの定義をなんでもありと謳っていたわけで。知ってか知らずか採点後の三村も「コントに決まりなんてないし!」ってコメントしてますね。
 決勝でやったからこそウケたんだって言うのはその通りだしわたしはそれどころかVTR込みでの勝負だったと思ってるんだけど、決勝の舞台まではそんな助けはなく自分達でウケる空気を作って勝ち進んできたんだからやっぱり2人が凄いんだよ。
 バナナマンはラジオで「変だとか言うけど、言っちゃえばもっと変なネタやってる人はいっぱいいるし」ってコメント。


8.KOC後
 予想通りナベプロに入り、順調にテレビ出演を果たしている。
 交際発言には驚いたが、ここで発表しなきゃいけない事情があったのだろう。芸人から芸能人になると、いろいろと怖いんだろうなあと思うよ。 邪推はいくらでもできる。いずれにしても芸能界最強の事務所なのでこの時点での最適解だと思う。あと、比較的長めに観てる人達が祝福しているのがこのコンビのありようを表しているような気はする。実際にカップルであるって事に触れられる事が多く、コンビ揃って出演してるので大正解って感じ。これ、にゃんこスター側からの発信だったらかなりの策だ…。
 コンビとしてはバラエティで呼ばれ続けてる感じだけれど、本当のヤマは次のR-1だよね。スーパー3助は最低でも決勝進出してほしい。元々優勝を狙ってたんだから。アンガールズ田中が笑ってたから、本当に現実味があると思う。田中ラインで事務所に味方を増やしていけば更に…。