『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』チネチッタLIVE ZOUND上映

気分刊生活259(2022/03/07)より

結論から言うと、昼夜両方を観ることをおすすめする。

LIVE ZOUNDとは、チネチッタが手がけるサウンドシステム。ハードウェアの充実もあるが、クラブチッタの職人の調整があり、音の良さは映画ファン以外にも伝わっている(私がまさしくそう)。
公式サイト(https://cinecitta.co.jp/livezound/)によると、下記の3種がある。
ハーモニクス 音楽映画・ミュージカルに適した、調和重視型
ハードコア 劇場が狂震(きょうしん)する超迫力重視型
ハイブリッド 大迫力と調和を兼ね備えた万能型

チネチッタでの劇スの上映は、まず封切りの2021/06/04から2021/08/26まで。この時期は全体のバランスが良いサウンドだった記憶がある。
おやおや、となったのは、上映が復活した9月。初日の2021/09/10に行った人達から、音が強まったとの報告があった。2週目に入り更に調整が入り、全ての音域で観客をねじ伏せるような、どこがハイブリッドなんだっていう、言ってしまえば暴力的なサウンドに仕上がっていた。私は2週目から行きだしたのだが、殺しに来てるなっていうサウンドは実に魅力的で、9月下旬はチネチッタメインに通っていた。この復活上映は2021/09/30に終了。2週目は16時台、3週目は11時台の上映だったため、知る人ぞ知る的な上映になってしまったきらいはある。
年末企画のLIVE ZOUND REVOLUTIONのラインナップとして上映された際(2021/12/28)には上品な音に仕上げていた。
何度も終了と延長復活を繰り返したイオンシネマ海老名や、狂気すら感じさせる沈黙のロングランを続けていたTOHOシネマズ立川立飛と比べると、そこまで積極的な感じが見えなかったのは事実。

そんな中、2022年2月に入り再上映の報が。『羅小黒戦記』『アイの歌声を聴かせて』の再上映も決まっていたため、年度末の企画かな、くらいに思っていた。実際どうかは分からない。
9月バージョンかな、12月バージョンかな、などと呑気に構えていたのだが。2022/02/25、いざ行ったらそのどちらでもなく、すべての音が聞こえるんじゃないかっていうくらい全体をカバーしてバランスを保っていた。バルト9のシアター9と比べても良いんじゃないか?
当初は1週間の予定だったが、延長と共にハードコア上映が決まった。

2週目初日の2022/03/04。11:10からのハイブリッド上映を浴びて、やっぱ良いですね、さあハードコアはどんなものかな、とやはり呑気に構えていたら。
とんでもない。
音がでかい。耳だけではなく、身体全体が震える。
音がでかいのに、それでいて、セリフやレヴュー曲の歌唱がしっかり聞き取れる。劇伴もしっかり聞こえるし、背後で鳴っている環境音も聞こえる。
音がでかいのに、ときどきそれを忘れてしまうくらい全体のバランスが取れている。どこも犠牲になっていない。
正直ハードコアに対しては色物扱いをしていた節はある。ある種のアトラクション性を持っているからね。
しかし、冷静になってみると、『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』は過剰な感情を過剰な映像と過剰な楽曲で描いている映画であり、サウンドが過剰であることは寧ろ自然なことなんじゃないのか?とすら思えてくる。映像とサウンドに緊張感がある。
そしてそれを踏まえて浴びたハイブリッド上映からは、改めて映像とサウンドが調和した素晴らしさを感じた。こちらは気持ちよく浴びさせてくれる。

本日(2022/03/07)になり来週の予定が出た。予定通りハイブリッド上映は終了するが、ハードコア上映は続くことになった。
正直他の映画館で観た方、特にTC立川立飛に通っていた方、にハードコア上映はおすすめだが、ハイブリッド上映も併せて観ることをおすすめする。ベクトルが違う上映のそれぞれ最上級のものが観られるなんてそう滅多にあることじゃないよ。
(平日一日空けられる人しか行けないけど)(上映の間が8時間以上空いちゃうからそこは大変だけど)(まあ他にも色々映画やってるし)